secret WISH
「まぁでもね、交接器はあったよ、うん」
「‥兄貴、もうそれ以上は言わねぇで」
今のうちに止めておかないと、何か全部話す様な勢い。
てか何でそんなこと分か‥‥あ、‥あぁー、そうか。
そう言う事ね。
じゃねぇよ、問題そこじゃねぇ。
「なら、別にいいじゃねぇか。‥あ、あるなら」
「単純だね、セレス。でもあの子はああ見えて、実際年齢はまだ10歳なんだよ」
「10歳‥?5歳くらいかと思ってた。‥って兄貴、そんな幼い子に」
「言うな言うな言うな!‥まぁ、そういうことだからさ」
まだまだ世界を知らないから興味で溢れているあの子の心。
小さい子なんて、何かを手に入れても直ぐに飽きて捨ててしまう。
「僕もきっと、その中の一つでしかないと思うんだ」
だから、突き離せるうちに離そうと思ったけど‥
「はぁ‥、セレスのせいだね」
「え?」
「ファントムの話ししていたら‥、本気で会いたくなった」
はははっ、と笑う兄貴は表情を隠す為か、右目を隠した。
分かるぜ、その気持ち。
相手の事想えば想うほど、分からない何かに胸を締め付けられて。
その切ない痛みに耐えられなくなったら‥
「やっぱ止めだ」
「そう言うと思ってた」
「ファントム、探しに行かないとね」
でもその前に、
お前にはもう少し話しておくよ。
ファントムのこと。