secret WISH
キケンな毎日
「お早う御座います。朝ですよ」
起きて下さい~という声と共に、カーテンが開けられた。
眩しいけど、優しい光が降り注ぐ。
あれ?
でもカーテンはベッドに上らないと
開けれないぞ?
ゆるゆるとまだ重たい瞼を開けば‥
「‥ブッ!!」
「え!?きゃぁ‥ッ!!」
ばっとアメスはスカートを手繰り寄せ
ベッドから退こうと足を踏み出し、
そのまま俺の上に扱けた。
今のできっと打ったのだろう。
俺の上から慌てて起き上がったアメスは、
鼻を押さえていた。
「あ、えっと、すすすす、すみませ‥ッ」
「い、いやいやいやいや、だいじょ、ブッ」
がしぃっと顔に何かがへばり付いて
俺はソレを摘まんで持ち上げた。
黒い塊のソレは“オニキス”。
ドルガーであるらしいが、アメスのペットだ。
‥どうも俺は、コイツに嫌われてるっぽい。
「‥またテメェか。切るぞ」
「あ、だ、駄目です。私の大切な友達なんですから」
冗談で言ったつもりだったのだが
アメスは慌てて俺の手からオニキスを奪った。
そして、大事そうに抱える。
アメスの腕の中では、オニキスがにかっと笑った。
‥真面目に切りてぇ。
オニキスはアメスのペットだが、俺が飼っている。
理由は、アメスが住んでいるところではペット禁止らしく、
飼う様にお願いをされた俺は絶対に嫌だと首を振った。
第一、倒す対象を自分のところに置くなど
もし同職の誰かに見つかったら、タダでは済まされない。
それでもしつこくお願いをされた俺は
アメスには勝てないと判断して、仕方無く飼う事にしてやった。
‥どうも俺は、アメスの上目遣いに弱いらしい。
けど、俺の部屋はペットOKなのか?
それ以前に‥、マヂでドルガーを飼っているってバレたら
これこそ俺、命無ぇよな‥。