secret WISH


ドルガーを切っていくなか、周りに目を向けた。
静かな森、人どころか動物さえいない。
更に出てくるドルガーに、俺は武器を抱え直した。

「さっさと、消えろッ!!」

ぶんっと大きく武器を振り
それをブーメランの様に宙に投げると、
次々に切れていくドルガーたち。
後ろで兄貴が「大技が出た」と笑っている。

コレが一番の大技じゃないっての!

ぶわっと体が溶けていくドルガーたちの中。
少し遠くの木陰で、何かが動いたのを見つけて
そこへ駆けだした。

「どうした!?」

「今、そこに誰かいたッ!!」

バッとその木陰を覗くが
そこには誰もいなかった。

‥見間違えか?いや、でも今確かに‥



この時、俺は気付いていなかった。

俺を見下ろす、その視線に―――‥。





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