secret WISH
オニキスにそう問いかければ、首を傾けられるだけ。
はぁ‥と溜め息を吐いて、俺はベッドに寄った。
丸くなって規則正しい呼吸を繰り返すのは
他でもないアメスだ。
‥ぐっすり寝てるわ、コイツ。
乱暴に掛けられている様に見える布団は、
きっとオニキスが頑張ってアメスに掛けてやったのだろう。
それを掛け直して、アメスの顔を眺めた。
頭を撫でれば、さらりと髪が動く。
銀色のそれは、雪が太陽に反射した時の様に
キラキラと輝いて見える。
長い睫毛に整った鼻筋。
薄い唇は綺麗な紅色で、口紅なんて付けていない。
―――‥綺麗だな。
素直にそう思い、近づいていく顔。
このままキスでもしてやろっかな。
そう思っていた時だった。
コンコン
と部屋の扉がノックされる音。
それに必要以上に心臓が飛び跳ねて、慌ててアメスから離れた。
机の上で、オニキスがこっちをじぃっと睨んでいる。
「お、おいッ、隠れてろ!」
小声でそう言い終わると同時に、
がちゃりと開くドア。
ヤベェッ!!さっき鍵閉めてなかったんだ!!