secret WISH
こんな姿見られると、アメスに知らされそうだ。
そう思ったから、オニキスにも見せたくなかった。
だから毎日、オニキスが完璧に寝てから
電気を消していたというのに。
「‥なぁ、オニキス」
呼べば、オニキスは正面へ来て、
いつも自分が使っているハンカチを差し出してくれた。
ありがとう、と少し嗄れた声で頷いて、それを受け取る。
「この事さ、アメスには内緒な?」
綺麗に洗った口元を拭いながら、オニキスの頭を撫でる。
「アレ見て吐いてるなんて知ったら、アイツどう思うんだろ」
あの位で吐いてるって言って、笑われるか?
それとも少しは自分を責めるんだろうか。
「まぁ、どっちも嫌だな‥」
キュッと捻った水道の蛇口から、ポタリと雫が落ちる。
鏡に映った自分は、
うっすらと汗が額を濡らし、少し目は虚ろだった。
ははっ、カッコ悪。
「俺な、アメスが好きなんだ。ホント好き」
だから、絶対に言わないでくれよ‥。
アメスに馬鹿にされるのはともかく
アメスに自分を責めたりして欲しくねぇからさ。