secret WISH



暗さに慣れた目は、そう淡々と話すアメスを映した。
ぽつぽつと雫の落ちる音が次第に大きくなり、外では雨が降り出す。


『彼』という言葉を使った。
アメスはソイツを仲間として見ているだけではないんだな。


「‥なぁ、殺してくれねぇ?」


きっと、あと3日過ごせば
知りたくない事を知ってしまう。
もっと自分が、暗闇へと落ちていく。
なら‥、

今死んだ方が、マシ。



「もういいよ、俺のところに来なくて」

「‥何、言っているんですか?」

「俺、疲れてるんだよ。お前だって疲れるだろ、ここに来るのも、俺に会うのも」





だから、殺せよ。





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