secret WISH
得意げに笑う“守り師”。
あ~、何かスッゲェムカつく。
こんな奴がホントに治安署の結界張ってんのか?
「‥私の幸せは、貴方が、決める事じゃ‥ない」
「何、まだ話せたの?」
「私の幸せは、私が、決める‥ッ」
振り絞るように声を出したアメスは、ばたりと倒れた。
拘束する光に、もう耐えられなかったのだろう。
俺は兄貴から離れると、アメスを抱きあげた。
そして、“守り師”に武器を向ける。
「って言ってるぜ?アメスは。その通り、お前が口出しすることじゃねぇ」
「‥ふん、それで勝った気?」
「うるせぇよ、嘘吐きが」
「‥嘘?」
後ろで、兄貴が首を傾げた。
「ああ、アメスが俺に怪我させるわきゃねぇだろ」
「じゃぁその怪我‥」
「コイツのせいに決まってんだろがっ!」
ビシッと武器を向ければ、びくりと肩を震わせる“守り師”。
兄貴はじぃ~っと“守り師”を見つめた。
「‥へぇ~、嘘吐いたの?」
「え、やっ、だって‥」
焦りに満ちた顔で、ブンブンと両手を振るそいつ。
「嘘は吐いちゃいけませんって言ったのに?」
兄貴は“守り師”に近づくと、両の頬を抓った。
見た感じでは、結構優しくだと思うのだが‥‥
「ぅ、わぁ~ん‥ッ!!」
ぽんっ
「で‥ッ、えぇぇ!?」
ち、小さくなった!?
綺麗な大人っていっても俺と同い年くらいだったけど
今目の前にいるのは、4、5歳のチビだぞ!?
ぱちぱちと瞬きを繰り返していると、手の痛みにハッとした。
「お、おい、さっさとこのわけ分かんねぇ光、消せよな」
「‥っ、ふ、うぅぅ」
「ファントム、外してあげて」
あの子はきっと、何もしないよ。
兄貴に促されて、“守り師”は震える指をアメスに向けた。
すぅ‥と消えていく光に、アメスの体は自由になる。
少し痛々しい光の痕も、直ぐに消えていく。
俺はそれに、安堵の溜め息を吐いた。