secret WISH



遠く、遠く。

ひたすら歩いて着いたのは、深い森。
その中にある大きな洞窟へ
グレーの髪の小さな女の子は
灯りに頼る事なく踏み込んでいった。

入って直ぐに、地下へと続く階段を降りる。

そして着いた空間にあるのは
ぼんやりと光るモノ。

それは蝋燭なんかではなく、



1つの石だった。



女の子はその石を手に取ると、鞄に仕舞った。
そして、今降りてきた階段を上っていく。
俺はポケットの中のイヤリングを握りしめた。



――――――――
―――――



「‥レス、セレスッ!」

ゆさゆさと肩を揺すられて、俺は目を開けた。
モルダが荷物を抱えている。

「おい、汽車降りるぞー」

「‥あれ、俺寝てしまってたのか?」

「ああ、ぐ~っすりとな」

最近、夢を見る度に出てくる。
グレーの髪の女の子。
いつもどこか寂しそうで、不安そうな顔をしている。
‥って、夢の中だから良く分からねぇけど。

「さっさと降りるぞ」という声に、
俺は慌てて荷物を担いだ。



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