secret WISH
そう言うと、アメスは俺にもう一度キスをして
城の中へと消えていった。
ポツン、と一人立ち竦む俺は、クライマックスに入った曲の高いヴァイオリンの音で我に返る。
「‥邪魔、するなって‥‥」
アメスはやっぱり、俺の恋人である前に
エル・ディアブロなんだ‥‥。
なら、俺は?
アメスの恋人である前に
クラーヂマンなんだ。
それなら、‥‥やる事は決まっている。
ガシャンッと何かが落ちる音に、
聞こえてくる人々の悲鳴。
俺は上着をを脱ぐと、イヤリングを手に取った。
それで、いいよ。
アメスはエル・ディアブロで
俺はクラーヂマン
俺たちは、敵同士。
それが本当の姿なんだから。
だから、悪ぃけど
邪魔するぜ‥ッ!!