secret WISH
在るべき姿
アメスが言ったとおり。
城に入ると、沢山のドルガーが暴れていた。
襲われる人々をただ見下ろす冷たい視線の隣で
アメスは時々顔を歪ませていた。
‥何が『邪魔しないで下さいね』だよ。
そう思いながら俺は、武器を振り回した。
向こうの方で、
モルダとリビアンも戦っているのが見えた。
モルダはブーツに武器が付いているタイプで、
目が回るほどの勢いで、回し蹴りを炸裂。
リビアンはブローチが弓に変化する。
矢はリビアンが構えると、勝手に出て来るんだ。
2人はいつも背中合わせに戦っている。
リビアンが構えている時にその身を守るのが
モルダにとって一番の仕事。
何だかんだ言ったって、強い絆で結ばれている。
‥モルダは絆ではなく、赤い糸だとか言っていたが。
ホワイトスモーク野郎は、
階段の踊り場で、楽しそうに俺たちを見下ろす。
その隣で、アメスは反対の方を向いて
相変わらず顔を歪ませていて。
「早く逃げて下さいッ!!」
武器を力任せに降って、俺は客とは反対の方向へ進む。
人々の悲鳴の中、アメスをもう一度見ると
一点の方をずっと見つめていた。