secret WISH


ふわりと動くアメスの髪。
日頃髪で隠れている耳が見えた。
耳朶に、赤い跡。
‥イヤリングの、跡?
日頃付けてんのか?

「セレスくん、伏せてッ!!」

リビアンの声がして、
そっちの方を向くと、飛んでくる光。

「おわぁぁ‥ッ!!」

リビアンが放った光の矢は
俺とアメスの間を抜けていった。

「ちょ、アブねぇじゃねぇか!!」

「ごめんごめん」

辺りを見れば、あんなにいたドルガーが消えていた。
俺とアメスが戦っているうちに、片付けたのだろう。

ぱんっぱんっと手を叩く音。
ホワイトスモークの野郎が笑っていた。

「あれだけのドルガーを消すとは、大したもんだな」

そう言って、深い笑みを浮かべると
ソイツは消えていった。

「‥消えた?」

エル・ディアブロと初対面のモルダとリビアンは
その様子をありえないものを見る様な目で見る。
そう、ああやって移動出来るんだとは言えなくて
俺は目の前のアメスを見つめた。

「‥今回はこの位にしておきます。命は、大切にして下さいよ?」

俺に背を向けて消えていくその背に
手を伸ばす事も
呼び止めることも出来なくて

ただ、強く拳を握った。




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