secret WISH
「えぇ!?」
「それって妬いてるって事っしょ?」
「べ、別にそんなわけないじゃない!!」
「え~、いつもは冷静なリビアンちゃんが、こんなに慌てるくらいだもん?」
ペンを持ったままリビアンを指さす。
ぐっと息詰まるリビアンに、俺は笑った。
「あんなにいつも一緒に居て、お互いを想ってるって見ていて分かるのに。意外と御付き合いしてないもんなぁ」
「嘘よ、モルダは他の人ばかりじゃない」
「それはリビアンに自分の気持ちを勘付かれない為~とかじゃねぇの?アイツ、見た目によらず恥ずかしがり屋じゃん」
「‥‥そう、だけど‥」
モゴモゴと口籠るその顔は、面白い位に真っ赤だった。
ははは、茹で蛸みてぇだ。
素直に言っちゃえば?と言おうとして俺は口を塞いだ。
‥あれ?
そういや俺は、言った事無い?
アメスに、“好き”だって。
‥言った事、無いよな?
悶々と考える俺に
真っ赤になって机にうつ伏せるリビアン。
これ、周りの人たちから見ると
結構面白いんじゃねぇか?
と、考えたりもして。
「ま、たまにはこんな時もあるって。気にすんなよ」
声を出さずに頷いたリビアンは、
赤い顔を上げて、報告書を書くのだった。