窓際の夜想曲 ‐短編集‐
初めてよそのお家に泊まった。今まで、ホテルと病院でしか寝泊まりしたことがないのだ。
だから。東京駅で。新幹線に乗った時は緊張と不安でいっぱいだったけれど。
同時に楽しみで仕方なかった。
来たのははとこの家、実際、わたしのはとこたちは家を出ていて、その両親にお世話になっている。
つまりは、わたしの親のいとこさん。
うちの両親とはまた違ったよさのある夫婦。その温かい人柄に加えて、昔ながらのアットホームな住宅街という環境がわたしの不安を消し去った。