窓際の夜想曲 ‐短編集‐
変わった先輩だった。
下校時間を過ぎても学校の中にいて、ありとあらゆる学校の秘密を探していたらしい。
その噂は本当なんだろう、学校の七不思議を知っているのは事実あの人だけだったし、それ以外にもいろいろと話してくれた。
学校にソプラノリコーダーが40本あるだとか。それはちっとも使われてないだとか。
何とか先生のテーマソングだとか。
失われた校歌があるだとか。
先輩がまとう空気はいつも、不思議なもの、未知なるものの誘惑に溢れていた。