窓際の夜想曲 ‐短編集‐

変わった先輩だった。


下校時間を過ぎても学校の中にいて、ありとあらゆる学校の秘密を探していたらしい。


その噂は本当なんだろう、学校の七不思議を知っているのは事実あの人だけだったし、それ以外にもいろいろと話してくれた。


学校にソプラノリコーダーが40本あるだとか。それはちっとも使われてないだとか。


何とか先生のテーマソングだとか。


失われた校歌があるだとか。


先輩がまとう空気はいつも、不思議なもの、未知なるものの誘惑に溢れていた。


< 6 / 11 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop