窓際の夜想曲 ‐短編集‐
卒業式の後で遥香は先輩にプレゼントを渡した。先輩は遥香に、一緒に帰ろう、と言った。
遥香は緊張した。でも告白はしないと決めていた。
先輩は遥香に、次の日曜にデートに行こうと言った。
驚いた遥香は顔が熱くなるのを感じて焦った。はい、行きますと言った
─────あれ。
「遥香ー!早く起きないと
遅刻するわよーっ」
枕元の時計を掴んで引き寄せると、短針は7をさしていた。いつもより目盛りひとつ…
「うわあぁっ!!」
─────なぁんだ
デートなんて、夢の話か。
自転車を飛ばしながら遥香はため息をついた。
‐CAPRICCIO
of a lecture hall
‐the end‐