地球妖精族
料理が苦手で…と呟きながら用意していたが、シルヴァンが入れてくれた野イチゴティーは意外にも、とても美味しかった。
紅茶の入れ方だけはこいつ凄く上手いんだよと、リュフトヒェンが言った。
本人は一輪挿しの花瓶にくちばしを突っ込んでいてとてもかわいい仕草だと思ったが、トゥエンティは言わない方がいいだろうなとなんとなく思った。
人心地ついてから、シルヴァンはまた話し出した。
「さて、どこまで話したっけ」
「私がフィユーなのに、あなたはフィユーでないという話よ」
「ああ」
 シルヴァンは深く頷いた。
「我々は、バードソウルと言うんだ」
 リュフトヒェンも頷き、トゥエンティの瞳を覗き込んだ。
「今まで中央13とさ、フィユーの話をしてただろう? それと同時に一緒に話してたことがあったよね。。 メテオラだよ」
 トゥエンティは頷いた。
メテオラ。次元を超える翼を持つ、稀有の渡り鳥。
「バードソウルというのはね、中央世界の住人と、メテオラの融合体のことを言うんだ。メテオラは繁殖の為に中央世界へ渡りをしている。 その繁殖の方法とは、中央世界の人間、すなわちフィユーの心に卵を産むってことなんだよ。 一種の契約であり、寄生でもある。 メテオラはフィユーが居なければ繁殖できない。 そういう生物でもあるんだ」

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