地球妖精族
「それは俺も一緒。 メテオラの姿は残ったけれど、完全に同じじゃない。 俺が銀色になってしまった。 本当のメテオラは金色なんだ。 黄金色。プラチナの奴もいるっていうけど、飛行の軌跡はすべて黄金色になるんだ。 でも俺は銀色。 シルヴァンの代わりに全身銀色さ。 でも俺はこれはこれで気にいってるんだけどね。 まあそんなわけで、うまく孵化できず、うまくフィユーの心から飛び立てなかったメテオラは、そのフィユーと融合してバードソウルっていう別の生物になる。 俺たちは普段エンシシに所属してるんだけれど、他に3羽の仲間が居るよ。 1羽なんか真っ黒なんだ。 これも史上初って言われてるけどね。普通バードソウルは俺たちみたいに個々に意識をもたなくてさ・・・メテオラの方は吸収されちゃうんだ。・・・というか心の中で眠ってるんじゃないかな。 永遠に目覚めない眠りだ。 大抵バードソウルになるメテオラはさ、翼を出すだけで精一杯なんだよ。 そこで力尽きる。 なのでバードソウルたちは普通人の姿をしていて、背中に羽を持ってる。 天使っていうのかな、そういう姿をしているよ。 中央世界やプラス5ワールド【リシャー】なんかではそう呼ばれてる。 まぁ、俺とシルヴァンは変わり者なんだ。 でも、俺はこれがとても気にいってるけどね。 自分で飛べるし、俺自身の意識もあるし。 寝てるだけっていうのはつまらないだろうなと思う」
「完全に融合しているのかも知れない。 心も。 私には解らないけれど」
「俺だってわからないさ、他のバードソウルの事は」
「・・・・・・」
 トゥエンティは溜息をついた。
「少し解ったような気がするわ」
 そして途方に暮れたような顔をした。
「私の帰るところはだとしたら中央なのね。 でも、私には記憶がないの。 イエヘンの他は全くないのよ。 だから私、イエヘンに帰りたい。 ウルトピの傍に帰りたいの」
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