地球妖精族
「国交がないからね・・・」
「だからこそ、メテオラは新円の真逆を、13世界以外に持ち出したのです。 そしてフィユーを救済する為に、白霧の都イエヘン・・・小さな次元と契約をしたのでしょう。 そう、私たちは彼女を知っています。 群れの噂で聞きました。 古いグループが数日前契約を実行したと」
「まてよ、そうすると」
 リュフトヒェンがそういい、シルヴァンは眉を顰めた。
「・・・やはり、そういうことか」
 ルーンリングも優美な首を前に垂れて目をしばたいた。
「ええ、そういうことです。 彼女は恐らく、数日前にイファハーンに出現してしまった哀れなフィユーなのです。 彼女は怯えていました。 大半のフィユーがそうであるように記憶をなくしていたそうです。 イファハーンではフィユーは奴隷です。 鎖に繋がれ、その能力を死ぬまで提供しなければならなくなります。 そんな時の為にあの新円の真逆を我々は使っているのです。 まだやりかたは教えてもらっていません。 それを知り、実行するのはもっと大人たちのグループです。 長がいるような」
「・・・戻して上げられない」
 シルヴァンが絶望的にそう言った。
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