地球妖精族
「帰ることは出来ません。 新円の真逆での契約では、一人のフィユーにつきただ一度きりの跳躍です。 行きはイエヘンに導くだけなので非常に簡単です。 しかし、帰りは大変です。 そのままイファハーンに戻してしまっては意味が無いからです。 そういう意味での警告だったのでしょう」
「ああ、畜生」
 リュフトヒェンが羽を閉じたり開いたりした。
「悪い時に長に会いにいっちゃったってわけだ。 本来ならあのグループの誰かが彼女を迎えに行ったんだろう。 それなのに、俺たちが割り込んでしまったから・・・」
「恐らく・・・に連れて行くつもりだったのでしょう」
「・・・?」
「言えません。 メテオラだけが知る次元です」
「だと思ったけど、ああ…」
 リュフトヒェンがシルヴァンをみた。
「どうする? どうやって伝える? 中央には返せないんだぜ。メテオラの力があっても無理だぞ。 新円の真逆みたいなループスコープがなければ、そもそも中央13中だって次元超えなんかさせられないし、もし借りにだ・・・戻すことが出来たとしても、もう」
「解ってる! でも誰かがそれを教えてやらなきゃ」
「時間があれば、・・・言ってあげることが出来たのに。 メテオラだったら多分全く問題がなかったんだ。残るかどうか決めさせる事だって」
「そんなの今更言ってもしょうがない」
 シルヴァンが言った。
「とにかく、彼女をメテオラたちの契約のうちに戻せるかどうか、シルバーハーモニーにも相談してみよう。 駄目ならエンシシにつれて帰るように説得しよう」
 リュフトヒェンは曖昧に頷いた。
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