地球妖精族
羅針盤祭は普通の祭りと同じように始まった。
大神官が祈りを捧げ、フィユーであるトゥエンティが予見をする。
それと、トゥエンティの特殊な能力である厄払いをするのだ。
歴代フィユーの中にもそういった魔法解除の能力を持つ者が居たというが、これは珍しい能力らしい。勿論等のトゥエンティには全く自覚が無かった。
「市民に混じって祭りを楽しんでいらっしゃい」
「そんなことしていいの?」
「ええ。今日からあなたは自由なのですから」
変った事と言えば、一般の人々の中に出て行けるといったことだけだったので、トゥエンティはある意味ほっとしていた。そしてこういう自由ならいいかも知れないと思った。祭りはそれなりにどれも楽しめたけれど、今までトゥエンティは崇め奉られるものであって、一般の人々となにかしたという経験が無かった。選ばれたそれなりの官だけを相手に神殿の中だけで暮らしてきたのである。一般の人々と一緒に踊る等とんでもない事で、しかももし無理に降りていったとしても彼女の姿は全身銀色、違えようのない容姿をしているので人々は其の場にひれ伏してしまう。
だが、羅針盤祭ではフィユーも一般の人々と同格に扱うという規則があるらしかった。或いは神や妖精としての何かではなく、今日から人間として扱うという事なのであろうかとトゥエンティは思った。恐る恐る階段を降りていくと、笑顔の人々がみなこぞって手を差し伸べてきた。トゥエンティは嬉しくなって彼らの手を取り、踊りの輪の中に入っていく。悪くない、本当にトゥエンティはそう思ったのだ。
今までとは違った、穏やかなで平和な生活がこれからも続くのだ。そう心からほっとした。
大神官が祈りを捧げ、フィユーであるトゥエンティが予見をする。
それと、トゥエンティの特殊な能力である厄払いをするのだ。
歴代フィユーの中にもそういった魔法解除の能力を持つ者が居たというが、これは珍しい能力らしい。勿論等のトゥエンティには全く自覚が無かった。
「市民に混じって祭りを楽しんでいらっしゃい」
「そんなことしていいの?」
「ええ。今日からあなたは自由なのですから」
変った事と言えば、一般の人々の中に出て行けるといったことだけだったので、トゥエンティはある意味ほっとしていた。そしてこういう自由ならいいかも知れないと思った。祭りはそれなりにどれも楽しめたけれど、今までトゥエンティは崇め奉られるものであって、一般の人々となにかしたという経験が無かった。選ばれたそれなりの官だけを相手に神殿の中だけで暮らしてきたのである。一般の人々と一緒に踊る等とんでもない事で、しかももし無理に降りていったとしても彼女の姿は全身銀色、違えようのない容姿をしているので人々は其の場にひれ伏してしまう。
だが、羅針盤祭ではフィユーも一般の人々と同格に扱うという規則があるらしかった。或いは神や妖精としての何かではなく、今日から人間として扱うという事なのであろうかとトゥエンティは思った。恐る恐る階段を降りていくと、笑顔の人々がみなこぞって手を差し伸べてきた。トゥエンティは嬉しくなって彼らの手を取り、踊りの輪の中に入っていく。悪くない、本当にトゥエンティはそう思ったのだ。
今までとは違った、穏やかなで平和な生活がこれからも続くのだ。そう心からほっとした。