-KAORI-
『あいつ、何なの。』
幼なじみであり、いい男友達である、橘健太郎。
通称、健ちゃんとしてみんなに通っていた。
「新米教師だよ。」
『なんか気に食わなねぇな。』
「所詮、先生なんだし、気にすることないよ。」
『……や、そうじゃ……くてさ。なんつーか…。みんなだけじゃなくて、お前も流されんじゃ………って。』
「ごめん、終始聞こえなかった。」
『はっ!』
「さぁさっ、教室戻ろうよ。あたし、まだ友達いないんだし、付き合ってよ。」
『ん。行こ。』
入学当日、あたしは奇跡的に同じ高校だった、健を連れ回していた。