-KAORI-

そして、ぎこちないままあたしの席に腰を下ろした。

綺麗な子は、あたしの斜め後ろの席だった。


バサッ


綺麗な子が机の上に乗せていた本が、あたし寄りに落ちた。


『あっ…。』


ちょっとためらいながら、本を拾って机の端に乗せると、綺麗な子は目を輝かせてこっちを向いた。

『ありがとう。』

微笑んだ彼女は、一層綺麗で可愛かった。

「いや…。」

名札を見ると、“鳴原”と書いていた。
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