CHAT
ホテルの前まで来た。

デートした日はいつも最後にホテルに行っていた。

今日もそうするつもりだった。

祥二が急に足を止めた。


「祥二?」

「…今日は止めとく」


そう言って早足で引き返す。

あたしは急いで祥二の前まで走った。


「なんで!?いつも行ってたじゃん!」

「……」

「祥二!!」


必死に叫んだ。

祥二の心に聞こえるように。


「…里紗…」


久しぶりに名前を呼ばれた。

祥二は辛そうな顔をしていた。
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