CHAT
「でもどうして待ってなかった?」


しばらくして、思い出したように話し始める。


「え?」

「私がトイレから出たときいなかったから」


そうだ。

待ってくれていれば、こんなケガをすることはなかったのだ。


「だって渚が向こうにいたから」

「え?」

「向こうの道で走ってたから俺は…」

「私、行ってないよ?」

「あれ?おかしいな。髪型も服装も同じだったからてっきり渚だって思って…」


それを聞いて、私は思い返した。

今日あったことを。
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