CHAT
いろいろ話しながら歩いていると、大きな交差点に出た。

信号が変わるとたくさんの人が動き出す。


「気をつけて、渚」


そう言って私をかばうように先に歩く。

もちろん手は握っている。

この優しさが嬉しくて、私は照れ笑いをした。


ドンッ…


木崎君が急に止まった。

弾みで顔が肩にぶつかった。


「どうしたの?」


返事がない。

前を向くと知らない男が立っている。

木崎君はその場で倒れた。
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