CHAT
「…ごめんな…」


オレはそっとドアを閉めた。

そして重いトランクケースを持って歩き始める。


「そうか…そうだったんだ…」


おふくろは分かってたんだ。

親父が来ることを。

治療費を払わなかったのは、親父にここに来る理由を与えるため…

強がりな親父におふくろに会うきっかけを与えるため…

きっとおふくろは…

親父を信じていたたんだ。

ずっと前から…
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