CHAT
教室に戻ると、実ちゃんは楽しく友達と話していた。

さっき見た怖さはどこにもなく、明るく笑っている。


「瑠璃!どこ行ってたの?」


明日香が話し掛けてきた。

少しのやすらぎがあたしの心に入り込む。

同時に涙が出そうになった。


「明日香もこっちにおいでよ!」


実ちゃんが明日香を呼ぶ。

あたしの名前は呼ばれない。


「瑠璃も行こ?」


あたしは少し微笑んで、重い足を上げた。
< 86 / 201 >

この作品をシェア

pagetop