猫っかぶり彼氏。〜天然王子=俺様彼氏①〜
付き合うきっかけは、
シオの告白だった。
その日シオは、いつもはラフにセットしてある髪をピタッと撫で付け、
なんとスーツでやって来た。
「こんにちは。今日、何かあったんですか?」
ピッ
ピッ
私はてっきり、友達の結婚式か何かに出席したんだろうと思い込んでいた。
そうでもなければ、こんな仰々しい格好はしない。
「僕と、付き合ってください」
告白はいきなりだった。
公衆の面前で。
今レジを打ったばかりの100円ガムを私に握らせ、
駄目押しの「好きです」