猫っかぶり彼氏。〜天然王子=俺様彼氏①〜
「ただいま」
シオが戻ってきた。
私はネガティブな思考を跳ね退けて、玄関のシオのところに向かった。
「日本料理屋さんが近くにあるみたいだよ、そこ行こうか?」
「へぇ、おいしそう。シオ、一人で行かせてごめんね」
私は素直に謝った。
シオはびっくりしたように目を開いて、それからクシャと顔をゆがめて笑った。
大きな目から優しさが溢れる。
シオは私の頭をくしゃくしゃに撫でた。
「大丈夫」