猫っかぶり彼氏。〜天然王子=俺様彼氏①〜



「ただいま」


シオが戻ってきた。


私はネガティブな思考を跳ね退けて、玄関のシオのところに向かった。


「日本料理屋さんが近くにあるみたいだよ、そこ行こうか?」


「へぇ、おいしそう。シオ、一人で行かせてごめんね」


私は素直に謝った。


シオはびっくりしたように目を開いて、それからクシャと顔をゆがめて笑った。


大きな目から優しさが溢れる。


シオは私の頭をくしゃくしゃに撫でた。


「大丈夫」




< 115 / 202 >

この作品をシェア

pagetop