猫っかぶり彼氏。〜天然王子=俺様彼氏①〜



恥ずかしかった。とにかく。


雑誌を立ち読みしていた人も、
お菓子を見ていたカップルも。

その場にいた全ての人が私達を見ていた。


もう、いっそ奥に引っ込んでしまおうかと思ったくらいだ。


「僕は、本気ですよ」


そう言って、にっこり微笑むシオ。


私はその瞬間感じた。
この人は、元彼とは違うのだ、と。


吸い込まれるように、私は首を縦に振っていた。


思うに、あの店舗でお客様から拍手喝采を頂いた店員は、私が初めてだっただろう。




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