猫っかぶり彼氏。〜天然王子=俺様彼氏①〜
「お帰りなさいませ」
よかった。
さっきの喧嘩、シオだってバレてないみたい。
まぁ、たとえ顔を見られていても。
まさか、こんなひょろひょろ男が大男二人をのしちゃった、なんて思われないだろう。
「お部屋の鍵でございます、どうぞ、ごゆっくり」
シオがフロントに預けてた鍵を受け取り、
「さぁ、行こう」
私の肩を抱いた。
ふと振り返ると。
女将さんがウインクしていた。