猫っかぶり彼氏。〜天然王子=俺様彼氏①〜
きっとシオ、怒ってる、よね……
私は下を向いて、ミニスカの裾をぎゅぅっと握りしめた。
嫌いにならないで!
呆れないで!
「彼女は私じゃなくてもいい」
なんて思わないで!
「……ごめ、なさ」
「ん〜?何言ってんの、僕だって寝ちゃったんだし、同罪同罪っ!旅はトラブルがあるからこそ面白いんだよ?」
いつもと同じシオの態度に顔をあげると、いつもと変わらない笑顔がそこにあった。
「大丈夫っ、乗り過ごしたのはほんのちょっとみたいだし、歩けばすぐだよ」
シオはふと、私の足元に目をやった。
「ん〜、やっぱりタクシー拾う?」
シオは私の靴のヒールの高さの方を気にしていた。
私の、失敗、よりも。