猫っかぶり彼氏。〜天然王子=俺様彼氏①〜
「那智、パンツ、まる見え。」
「えっ!?」
慌ててスカートを押さえた私。
シオはしゃがんだ。私の顔に息がかかりそうなくらい、顔を近付けてくる……
それは、そう。例えるなら、キスされるかと思うくらい。
「……ねぇ、誘ってんの?」
私は顔が熱くなるのを感じた。火が出るかと思ったくらいだ。
「……っち、ちが」
「違うの?那智はそういう事、全然興味ないんだ……」
うっ。
「そ……そんなこと……」
「いいよ、ホテルに着いたら、ゆっくり可愛がってあげる。その時に聞かせて」
いつもは安心する、シオの言葉が。
シオの笑顔が。
その時の私には、違和感しかもたらさなかった。