猫っかぶり彼氏。〜天然王子=俺様彼氏①〜
シオ、私が知ってるシオと別人みたい。
鋭い眼光に射すくめられた私は必死で、引き攣りながらも笑顔を作り、じりじりと後ずさった。
「二人っきりだね」
タン
背中が壁に当たった。
その瞬間、シオは両手を壁について、私の逃げ道を無くした。
「そ……そうだ、ね」
えへへ
ごまかし笑いをしてみるものの……シオは真剣な顔。
いつも、その綺麗な顔をへにゃっと歪めて笑う分、真剣な顔は……美形そのもの。
目が……離せなくて。