猫っかぶり彼氏。〜天然王子=俺様彼氏①〜
シオが焦って言った。
「ナチ、そんな可愛いことしたら僕、理性持たない」
「えっ!?」
私は慌てて体を離した。
頭を、夢で見た俺様シオが横切ったから。
シオは困ったように、それでいて悲しそうに少し笑って
「お風呂入っておいで、僕はちょっと、買い物行ってくるからさ」
そう言った。
「うん、わかった。そうする」
お風呂か……
部屋にも温泉があるけど、広いお風呂に入りたい。
大浴場の方へ行こう。
「シオ、覗かないでね」
「はーい」
私はシオから隠れて、ふすまの陰で浴衣に着替えた。