猫っかぶり彼氏。〜天然王子=俺様彼氏①〜
……それにしても。
私は着替えながら疑問を持った。
……どこから夢なんだろ?
……むしろ、バスから夢?
……そうかもしれない。
私は髪をコンコルドクリップで留め、後れ毛を意識しつつシオの元へ戻った。
「じゃ、お風呂行ってくるね。買い物、車に気をつけてね」
シオの天然パーマをわざとくしゃくしゃに撫で、私は戸口へと向かった。
「うん、いってらっしゃい」
わざとらしく困ったような顔で髪を直しながら、私に満面の笑みを向けるシオ。
私は備え付けのスリッパを履いて、大浴場に向かった。