猫っかぶり彼氏。〜天然王子=俺様彼氏①〜
ゆっくりと湯につかり、
大きく息をつく。
いくらシオに強引になって欲しいと思っているとはいえ……あれは酷い夢だ。
……欲求不満かな。
というか。
バスから夢だったとしたら。
シオは夢と同じように私を担いで旅館まで?
なんてことをしているんだ、私は。
担がれても起きない、なんて。
そんなことが実際ありえるの?
温泉独特の匂いと、露天風呂特有の、湯と空気の温度差は本当に心地よかった。
けれど、私はいまいち、心からリフレッシュできたようには感じられなかった。