猫っかぶり彼氏。〜天然王子=俺様彼氏①〜
「……ご飯、来てるよ」
シオはなんでもない、という風に手を横にひらひらさせて言った。
仕種はいつものシオだけど、明らかに雰囲気が違う。
「もう7時なの?」
私はごまかそうとして、慌てて左手首を見たけれど。
そこに時計はない。お風呂あがりなのだから当たり前。
「長風呂、しすぎちゃったな……早く食べよ、シオ。」
私は立ち上がって、シオのTシャツの裾を引っ張って部屋の中に進もうとした。
「飯は後でいい」
「シオ?冷めちゃうよ?………きゃぁぁっ」
私は戸口で。
シオに押し倒された。