猫っかぶり彼氏。〜天然王子=俺様彼氏①〜
「やめてよっ」
「本当にいいの?やめても」
私は一瞬、返答に詰まった。
……そうだよ、シオに強引になって欲しいって、思ってたじゃん私ってば……
目を白黒させる私に、シオは言った。
「ほら、ね」
シオは空いた手で、私の髪をゆっくりと撫でながら囁いた。
「那智みたいなあまのじゃく、俺くらいしか相手できないよ」
シオは私の目を見据えて。
「他の男には渡さない。那智は俺のものだ」
私は怖くなって暴れた。
自由にならない手の分をカバーするために、足をバタバタ動かす。
「離してよっ!シオの馬鹿ぁ!!」