猫っかぶり彼氏。〜天然王子=俺様彼氏①〜
シオの黒い天然パーマが……、風に揺らいだ。
その風に乗ってきたシオの香りは、初めて会った時からずっと変わらない、どこかノスタルジックなものだ。
私は自由になった右手を、シオの背中に乗せ、左手で頭を撫でた。
「私は、あなたのものよ」
恥ずかしさを隠すために、意地をはって毒づいたりするけど。
本当は愛してるのに、あなたの目を見てそう言えないけど……
そんな私でいいなら。
どんなシオでも、
ずっとそばにいるわ。