気付けば溺愛
「男に花つけられたまま見合いって、相当俺の事ばかにしてる?」

「ごめんなさい。ばかにしてるつもりはないんです…。これは、不慮の出来事で…」

「ん?無理矢理って事?」

指を離しても尚、椅子にもたれて怒りを隠さない彼に、謝るしかなくて。

「無理矢理だったけど…」

「けど?」

「いえ、なんでもないです」

しばらくの沈黙。
彼は目の前でタバコをすいながら、私から目を離さない。

居心地の悪い私は俯くだけ。
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