気付けば溺愛
「俺ら結婚するなら、その花を上書きしてもいいよな?」

「え?」

「俺が新しい花をつけるって言ってるんだよ」

私を軽く睨みながら立ち上がり、私の腕をつかむとさっさと歩きだす。

急な出来事が理解できないまま引っ張られていると

「上に部屋とって、抱くから」

「そ…そんな…無理。無理」

引っ張られて引きずるように進む私の言葉なんか無視してエレベーターに向かう彼の手をふり払うと。

「好きでもない人とそんな事できない」

涙がこぼれるのを押さえられないままに叫んだ。
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