気付けば溺愛
私達が飲んでいた個室のふすまを開けようとすると、それまでかなり酔っ払っていた宏二の声が聞こえた。

「で、拓真これからどうするつもり?」

え?拓真?

耳に入ったその名前が私の心拍数を一気に押し上げる。
隣りの芽依は、目で私に

『じっとして』

と横目で伝えている。私もなんだか動けなくて、聞こえてくる会話に耳をかたむけた。

「……俺、結婚したいんだ。プロポーズして俺のもんにしたいんだ」

え…?

プロポーズ?

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