恋めぐり
2月 蜘蛛の糸すら手繰りよせた
2月になって寒さが厳しくなった。

温暖化とか言っていながら、世界は真冬だ。

私は猛流と彰が誕生日プレゼントで買ってくれた白いコートと去年の余った毛糸で作ったマフラーで寒さを凌いで、学校ではもっぱら裏庭にいた。

タンブラーの紅茶が冷めたお腹を温めてくれた。

考えるのはオウリとカインのこと。

今、見ている夢の中ではオウリがカインを徹底的に嫌っていて、二人がどうしてくっついたのかがどうしても分からない。

オウリは極端な軍嫌いで、坊主憎けりゃ袈裟まで憎いどころではなく、軍人が憎ければ制服どころか軍人の家族、そこで飼われている犬すらも憎いそんな感じだった。
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