恋めぐり
追い返そうとしている私に逆風がふいた。

「桜理ちゃん。お帰りなさい」

隣のおばちゃんが話しかけてきた。

母が生前仲良かったおばさんで、今もこうして私のことを気遣ってくれて、おかずとかも分けてくれることもあった。

「ただいま。すいません、うるさくてすぐに帰しますから」

「桜理ちゃんが彰くんと猛流くん以外の子といるのを初めてみたわ。同じ学校のお友達?」

「そんなところです。遅くなって送ってくれたんですけど、すぐ帰りますから」
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