恋めぐり
「そうだな」

カインはアイリスの頭を撫でると、いすから立った。

「ご馳走様。朝早く悪かったな。これから休むんだろ?」

「うん。イヤリングありがとう」

カインを見送るためにオウリは玄関に向かった。

「なぁオウリ。お前が軍が嫌いなのはあの子らのこともあるかな?」

「そうだよ。それだけじゃないけどね。だから二人にはあんたが軍属って言わないし、ここにはもう来ないで」

オウリの顔は冷たく、カインを突き放している。

「さっきの優しさは演技か?」
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