恋めぐり
「そう。イヤリングのお礼だから」

「そのイヤリング、紋章みたいなもんが刻まれてんのな。お前、何者だ?」

オウリの耳に光るイヤリングの銀細工の部分には、菖蒲を模したような紋章が刻まれていた。

「言ったでしょ、形見だって。さっさと帰れ!仕事しろバーカ!」

カインの背中を蹴飛ばして家から追い出し、乱暴にドアを閉めた。
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