恋めぐり
カーラの気遣いがありがたい。

「じゃあお言葉に甘えて」

「気をつけて帰るんだよ」

「私は強いから大丈夫」

「あんたも一応女だからね」

「ありがとう、じゃあね」

月が照らす道を歩く。

もうすぐ家というところで、気配を感じた。

殺気に似た気配にオウリはハッとして振り向くと、

怪しく光る剣先が自分に向かってくる。

とっさにのけ反りそれを交わす。

剣はすぐにオウリを襲うために振り下ろされる。

それも横転して交わし、手元に転がる石を投げつけた。
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