恋めぐり
このまま一つになれたら良いのにね。

そうしたら、君に私を殺すなんてことさせなくて良いのに。

長いキスに私の息がもたなくなる。

肩を押すけど、彼は離れてくれない。

少しだけ唇を離すと、小さな声が聞こえた。


「もう少しだけ。頼む」

顔に冷たい雫が落ちてきた。

少し目を開けると、彼が泣いていた。

拭って上げたかったけど、手は彼に握られていて、出来なかった。
< 26 / 217 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop