恋めぐり
見たことはないけど、母はとても美しいものだと教えてくれた。

このアロマキャンドルだって、母が故郷を思い出して作ったものだ。


「オレも見てみたいな」


私は一緒にとか、待ってるねとは言ってあげない。


少しだけあなたを恨んでいるから。

覚えてる?

私が言ったこと。

私、嘘が嫌いなの。

どんな理由があっても。

指でキャンドルを倒した。

火は消えずに、テーブルの紙に燃え移る。
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